Happy?~結婚生活は甘くて危険がいっぱいです~
訪れた場所は、ラーメン屋だった。

「ごめんな、どこもいっぱいだったみたいで」

席に座るなり、村雨さんは謝ってきた。

3件ほど店を回ったけれど、予約が入っていたり、満員で入れないと言われたのだ。

「仕方ないですよ、時間も時間でしたから」

わたしは言った。

ようやく空いていたラーメン屋に入って、今に至ると言う訳である。

「わたし、ラーメン好きですから」

わたしはそう言うと、村雨さんにメニューを渡した。

「ハハッ、ありがとう」

村雨さんはわたしの手からメニューを受け取ると、それを広げた。

店員を呼んで注文を済ませると、
「それで、どこかに行きたいところはあるか?」

村雨さんが聞いてきた。

「うーん、どうしましょうかね…」

わたしは考えた。
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