Happy?~結婚生活は甘くて危険がいっぱいです~
 * * *

届け出挙式のことを知ったのは、今から10日ほど前のことである。

この日、俺たちは役所から婚姻届をもらうと敬子さんに証人を頼むために彼女の店を訪ねた。

証人は2人必要と言うことだったので、敬子さんとたまたまその場にきて飲んでいた男性客に証人をお願いすると名前を書いて押印をもらったのだった。

「これで、あんたたちは本当の本当に夫婦になった訳ね」

そう言った敬子さんに、
「まあね」

ゆめのは照れくさそうに笑った。

「それで、結婚式の方はどうするのよ?」

「あー、そのことなんだけどねえ…」

ゆめのはそう言って俺に視線を向けた。

「事情も事情だったから迷っているんだ。

周りには結婚式を挙げないことを言った訳だし、時間も結構経ってるから今さら挙げるのもあれだろうなって」

俺がそう言って、息を吐いた時だった。
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