Happy？～結婚生活は甘くて危険がいっぱいです～
斎藤ゆめのと結婚して、今日で１０日を迎えた。

「おはよう」

肩甲骨まである茶色がかった黒髪ロングをシュシュでひとつにまとめたその後ろ姿に、俺は声をかけた。

「おはようございます、村雨さん」

斎藤ゆめのは振り返ると、あいさつを返した。

テーブルのうえに視線を向けると、朝食の用意がされていた。

炊きたての白いご飯に焼き鮭、なすの味噌汁、きゅうりの浅漬けに卵焼きと豊かな朝食が並べられていた。

向かいあって椅子に腰を下ろすと、
「いただきます」
と、一緒に両手をあわせて食べ始めた。

美味い。

１０年近くも１人暮らしをしていたと言うこともあってか、彼女は家事全般が得意だ。

斎藤ゆめのが作った朝食を食べ終えて出勤の準備をしていたら、
「村雨さん、お弁当です」

彼女が歩み寄ってきて、ハンカチに包んだ弁当箱を出してきた。
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