Happy?~結婚生活は甘くて危険がいっぱいです~
「やった、奥さんの顔が見れる!」

玉村はガッツポーズをした。

そんな彼に向かって、
「お前、人の嫁を口説こうとするんじゃないぞ」

俺は言った。

…んっ?

俺は今、何を言ったんだ?

何か、ものすごいことを発言した気がするぞ…?

「大丈夫ですよ、あくまでも目的は奥さんの顔を見ることだけですから」

玉村は笑いながら言い返したのだった。

「なら、いいが…」

自分の言ったことが信じられなくて、俺はどうすればいいのかわからなかった。

「村雨さん、奥さんのことが好きなんですねー」

玉村が言った。

いや、違うに決まってる。

俺と斎藤ゆめのは利害関係が一致したうえで結婚したのだ。

好きだとか愛だとか恋だとか、そんなキレイな理由でした訳じゃない。
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