Happy?~結婚生活は甘くて危険がいっぱいです~
彼らが用意した皿に料理を取り分けているのを確認すると、
「忠政さん、助かりました」

わたしは棚からグラスを取り出しながら、村雨さんに声をかけた。

「フォローができたみたいでよかったよ」

村雨さんはホッとしたと言うように息を吐くと、日本酒を開けた。

「ずいぶんといいヤツを持ってきたんだな」

日本酒の香りを嗅ぐと、村雨さんが言った。

わたしは鼻を近づけると、
「ホントだ」

そう言って、村雨さんに顔を向けた。

「――ッ…!?」

彼との距離が思った以上に近くて、わたしは思わず目をそらした。

近い、近過ぎる…。

それまで落ち着いていたはずの心臓が、再びドキドキと早鐘を打ち始めた。

マズい、どうしよう…。
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