Happy?~結婚生活は甘くて危険がいっぱいです~
7・嵐を呼んできたお母さん!?
「…それで?」

敬子が聞いてきた。

七夕祭りから数日が経ったその日、わたしは敬子の店を訪ねていた。

「それでも何も、これが全部だよ」

そう言ったわたしに、
「つまり…早い話が、契約の旦那様を好きになってしまったと言うことね」

敬子はやれやれと言うように息を吐いた。

「そんなはっきりと言わないでよ~!」

情けない声で嘆いたわたしに、
「だって、あんたが言ったことはそれじゃないのよ」

敬子は呆れたように言い返したのだった。

村雨さんと七夕祭りに出かけたその日、わたしは気づいてしまったのだ。

自分が彼に抱えている気持ちに気づいてしまったのだ。

わたしは、村雨さんを好きになってしまった。
< 83 / 125 >

この作品をシェア

pagetop