幼なじみのおとなりくん。
ドンッッ…「うおっ!?」おじさんが誰かに押されて倒れた。その相手とは…振り向くと、そこには見ず知らずの同年代くらいの男の子がいた。私が愕然としていると、その男の子は、「なにボーッとしてんだよ、いくぞ」と、私の腕を引っ張って、そのまま走り出す。この日は真冬だった。だけど、私のかじかんだ手は、なぜだかとっても… あったかかった。「…ふー、これくらい逃げれば大丈夫だろ」男の子は一息ついてその場に座り込む、走り過ぎて息の荒い私を見て、「おい、お前!」 「ははは、はい!」 「まじであんなのに騙されんなよ!ほんと俺が来なきゃ危ないとこだったじゃんかよ!」 と怒り気味に言う。「ほんっと、ちょっと走ったくらいで息切れ過ぎだし…どんくさい女だな。」「なっ…!」少しイラついたけど、助けてもらったことは事実なので、「あああの、初対面なのに、助けてくれてほんとにありがとう。良かったら仲良く…」私の言葉を遮るようにその男の子は差し伸べた私の手をパシッと振り払う。「俺お前みたいなオドオドした女まじ嫌いだから!仲良くするきなんかないし!」 「はぁぁぁ!?」助けてもらったこと事は確かに事実、こいつは命の恩人だ。だけどだけど…もう限界!「な…なによ!せっかく仲良くしてあげようと思ったのにさ!ちょっとか弱い女の子助けたぐらいで、カッコつけてんじゃないわよ!このボケナス野郎!」 それに対し、男の子もまた、「ボケナスはお前の方だろ!仲良くしてくれとか頼んでないし!てか俺もう帰るから!また誘拐されそうになっても知んないからな!」 「あっそ!別にいいわよ、もう誘拐なんかされないから!」私達は、お互い睨み合って、家に帰っていった。