それでもやっぱり、君が好き【8/26番外編追加】

香莉菜にとって、春樹は大切な昌也のお兄ちゃんだから。
あたしが本気で言ってるのか、気になってるんだろう。



「うーん。よくわかんない」



あたしのノーテンキな言葉に大きくため息をつく。



「よくわかんないってなに？春樹のこと大切にできるの？」


「大切にするつもりではいるよ」


「春樹は亜実のこと真剣なんだよ？」



さっきまでは冗談で言っていたのに、いざそうなると春樹が傷つかないか心配になっちゃう香莉菜。

香莉菜は人のことばかりを考えられる子だから。



「遊びなんかじゃないよ」


「本当？」



まだ香莉菜は半信半疑な様子。



「さっき、コンビニで雄大に久しぶりに会った」


「……は？」



突然出てきた雄大の名前に〝どこが遊びじゃないんだ〟って顔。



「普通に話したの。でも、雄大と話してると泣きそうになっちゃって……」


「はぁ……？」



これじゃあ明らかに香莉菜を安心させる回答は何一つしてあげれてない。
でも、違うんだよ。



「雄大のことは忘れてないけど、春樹を見てたら春樹のこと考えたいなって思った」