それでもやっぱり、君が好き【8/26番外編追加】
「なんだよー!気になるー!」


「まぁまぁ。女の子にはいろいろあるんだって」



昌也の頭をなでる春樹。



「……いろいろってなんだよ」



不満そうな昌也。



「お前も女心わかるようにならなきゃな」


「子供扱いすんじゃねぇ」


「俺にとっちゃみんな子供だっての」


「俺も早く兄ちゃんみたくなりたいな」



ぷうっと頬を膨らませる。



「年なんてそのうちとるんだ。若いうちに楽しんどけよ」



あたしたちよりも五つも上だから当然、大人だよね。

大人な春樹と絶対に一緒に幸せになりたい。



「俺も早く働きたいなー」


「いや、お前は大学行くだろ。まず」



春樹は高卒で働いてるから社会人歴はだいぶ長い。
自分で働いたお金って、あたしはバイトとかしたことがないので本当にすごいと思う。



「兄ちゃんはすぐ働いたのになー」


「母さんに行けって言われてるだろー」



働きたい気持ちはわかる。
あたしだって早く働きたいけど、お姉ちゃんを見てると働くのが大変だってことはわかっている。

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