それでもやっぱり、君が好き【8/26番外編追加】
「……彼女になんかしねぇよ」


「え?」


「なんでもねぇ。明日からよろしくな」


「う、うん」



彼女じゃなかったら誰にするというのだろう。
よくわからないままだったが、雄大が話を打ち切ったので、あたしもあまり気にしないことにした。



「春樹!」



授業が全部終わって、すぐに春樹の待つ校門走った。

車によりかかって待つ春樹を見つけると頬が勝手に綻んでいく。



「お疲れ」



春樹があたしの頭を撫でて、助手席のドアを開けてくれる。



「ありがとう」



春樹に会えるのが嬉しくて、走ってきたから助手席に座って息を整える。



「……あっ」



助手席から窓の外を見ると、ちょうど昌也と雄大が玄関から出てきて、春樹の車に気づいた昌也がこちらに歩いてくる。



「どした?」


「昌也がくる」


「おっ」



あたしの言葉に、助手席の窓を開ける。



「兄ちゃん!」



嬉しそうに車に駆け寄ってくる。

毎日会ってるくせに、昌也は本当に春樹のことが大好きだよなーっと思う。
あたしもお姉ちゃんのことは好きだけど、昌也に負けると思う。

< 131 / 349 >

この作品をシェア

pagetop