それでもやっぱり、君が好き【8/26番外編追加】
「わからないなんて、そんなはずはないんだ。俺と亜実は付き合ってる」


「……え?」



〝付き合ってる〟
その言葉に頭がフリーズする。

だって……。
あたしが好きなのは
あたしの頭中を埋めるのは
あたしがドキドキするのは
あたしが一緒にいたいのは

たった1人しかいない。

だから、この人と付き合ってるなんてありえない。



「そんなことあるわけ……「あるんだよ」



あたしの言葉を遮って話す。



「このブレスレット見ても何も思い出さない?」



彼があたしの腕につけているブレスレットに触れる。



「触らないで!」



反射的に彼の手を跳ね除ける。



「これは、どうしたの?」



あたしの行為に傷ついたような顔になる。



「雄大にもらったもの」



だから、大切なんだ。
でも、いつもらったのかはっきりと思い出せないけど。
もらったときに暖かい気持ちになったのは覚えてる。



「雄大?」


「そう、大好きな人」


「アイツのことは覚えてんだな……」



今までで1番悲しそうな顔をしている気がする。


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