それでもやっぱり、君が好き【8/26番外編追加】
「雄大が来た時の亜実の顔……」


「え?」


「すげぇ笑顔だったよ」


「笑顔……」



そんなに顔に出ていたのかとなんだか恥ずかしくなってしまう。



「あぁいう顔、雄大しかさせれないんだろうな」


「春樹……」


「きっとさ、俺と付き合ってても雄大のこと忘れるなんて無理だったんだよな。そして俺が忘れられた」



どこか自嘲気味に言う春樹にだんだんと申し訳ない気持ちが湧いてくる。

春樹はたしかにすごくいい人だ。
こんな人に守られたら、きっと幸せだ。



「気づいてたのに、気づかないふりしてごめんな」



苦しそうな顔でそんなことを言う春樹に思わず首を横に振る。



「ごめんはこっちだよ……」


「亜実は悪くない。どこまでも俺が……悪い」



どうしてだろう。
どうしてこの人は絶対にあたしを悪者にしないんだろうか。



「なんで……」


「ただ、繋とめておきたかっただけなんだよ」


「春樹じゃないよ……」



謝るのはあたしの方。
たぶん、覚えてないけど雄大を忘れるために利用したんだと思うから。

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