それでもやっぱり、君が好き【8/26番外編追加】
「嫌わないでくれればそれでいいから」


「嫌いになんて……」



なるわけがない。
こんないい人、他にいない。


なんで、あたしは春樹と付き合ったのか。
全然わからない。
どうして、春樹のことだけを忘れてしまったのか。

雄大から旅立ってからの記憶が曖昧だ。
それは、その頃に春樹と色々あったからなのだろうか。

そして、春樹のことを忘れてしまってるのは?
春樹となにかあったのだろうか。
春樹のことでショックななにかが……?



「無理に思い出さなくていいからな」



あたしの頭をポンっと叩く。



「……う、ん」



そうはいっても、このままでいいなんて思ってない。
でも、だからって簡単に思い出せないのもわかってる。

だって、何度も思い出そうとした。
たった三日間だけど、必死に考えた。
それでも無理だった。

でも、春樹だって悩んでる。
その悩みから解放できるのは、あたししかいないから。

春樹のために思い出したいけど、ほかの人を好きって思うなら思い出したくない。
複雑な感情でいっぱいだった。

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