それでもやっぱり、君が好き【8/26番外編追加】

「あたし、雄大が好き」



ずっとずっと覚えていた感情。
これだけはどんなことがあっても忘れなかった。



「分かってるよ。思い出したら俺の役目は終わりだよ」



ポンッとあたしの頭を撫でる。



「ごめん……ごめんなさい……」



あたしの瞳からはポロポロと涙が出てきた。

春樹があたしのことを真剣に想ってくれてるってわかってる。
だからこそ、春樹のことは大事にしたかった。
雄大への気持ちはなくせないけど、それでもいいって言ってくれた春樹と共に歩みたかった。

でも、どうしても知りたい。



「あの日、雪って子となにしてたの？」



これだけは聞きたかった。
あんなに、あたしのことを大切に思ってくれていた春樹があの子とふたりで部屋にいた理由。

浮ついた気持ちはないから浮気ではないとはあの日言ってたけど、そんなのは屁理屈だ。



「あれは……」



春樹の眉間にシワがよる。

やっぱり、こんなほかの人に気持ちがあるあたしには話したって仕方ないことなのだろうか。