それでもやっぱり、君が好き【8/26番外編追加】
『明日、亜実が学校行ってるあいだに部屋契約しとくからさ。すぐに住めるところ。だから、何の心配もすんな。これから香莉菜の家に行っときな。電話しとくから』


「ありが、とう……」



春樹の優しさに涙がでてくる。

あたしは、兄妹ということを知って、すぐに気持ちが離れたというのに。
春樹はいまもなお、あたしを気にかけてくれる。
あたしとの未来なんてないのに。



『大丈夫だから、亜実は何も心配することないから』


「うん……」



春樹の言葉はすんなり胸に落ちてきた。
不安で不安で仕方なかったのに、どうしてこんなに安心させてくれるんだろう。



「香莉菜の家か。久しぶりだなぁ」



春樹との電話が終わって、香莉菜の家に歩いていると、懐かしい光景が浮かんでくる。



『そんなに、俺と一緒の部屋嫌かよ』



なんて不機嫌そうな雄大の顔。

まだ、付き合う前に香莉菜の家に泊まったとき、雄大と同じ部屋にされた。

まぁ、カップルが一緒の部屋で寝るのは当たり前かもしれないけど、あたしはその部屋で4人で雑魚寝だと思っていたから。

すぐに『無理!』って言ったんだよね。

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