それでもやっぱり、君が好き【8/26番外編追加】
「泣かないで、亜実」



香莉菜が困ったような顔をして、あたしを抱きしめてくれる。



「春樹のこと、見ようとしてたの」


「うん、わかってるよ。好きになれなくても、ずっと一緒にいようと思ってたんだよね?」


「うん、なのに兄妹だって知って、すぐに冷めちゃった」



ついさっきまで、春樹といたいって思ってたはずなのに。
お父さんに言われたって別れるつもりなんてなかったのに。

事実を知った瞬間、サーッと気持ちが冷めてった。



「そんなの誰だってそうなるんじゃないかな?
そんな事実を受け止めるなんて厳しいよ」


「でも、春樹は……」



それでも、あたしのことを選んでくれるって言った。
気持ちは変わらないって。



「亜実と春樹じゃ全然違うよ。春樹は、ずっと亜実のことが好きだったけど、亜実は春樹のこと好きだったわけじゃないでしょ?」


「うん……」



自分では、徐々に春樹のこと好きになってるって思ってた。
でも、それは勘違いだったのかもしれない。

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