それでもやっぱり、君が好き【8/26番外編追加】
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「気に入った?」



翌日。
学校が終わったあたしは、春樹がきめてくれたマンションの一室にいた。



「うん、可愛い感じだし。バルコニーもあるし」



バルコニーに置かれた赤いサンダルを履いて外に出る。
春樹がきっとあたしのために用意してくれたサンダルだ。となりには青のサンダルがあった。

春樹が借りてくれた家は、オートロックでセキュリティはバッチリの内装はデザイナーズマンションと言うらしく、可愛らしい部屋だった。



「気に入ってくれてよかった」



青のサンダルを履いて、バルコニーに出てきた春樹が後ろからふわっとあたしを抱きしめる。



「……はる、き?」


「ごめん、少しの間だけでいいからこのままでいさせて」



そう口にした春樹の声は、辛そうで、胸がぎゅうっと締め付けられる。

あたしだけじゃない。
春樹だって、感情の行き場を失ってもがいている。
本当は、春樹のこと受け入れてあげたい。
でも、あたしたちは兄妹だから。

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