それでもやっぱり、君が好き【8/26番外編追加】
「春樹……あた……っ」



振り向いて、伝えようとした言葉は吸い付くような春樹の唇によって遮られる。



「春樹!!」



やっとの思いで春樹を突き飛ばす。



「わかってるんだ。もう亜実が俺に気持ちがないことは」



壁に寄りかかって、座った春樹が下を向いたまま話す。



「春樹……」


「でもさ、俺は亜実がやっぱり好きで。分かってるのに諦めたくなんてなくて……悔しいんだよ。なんで、俺たちが兄妹なんだよ」



春樹が地面を拳で殴る。



「……っ」


「亜実のことが好きだから、抱きしめたい。キスしたい。一緒に住もうとか言って、こんなんやべーよな」



そんなことを言いながら、地面を殴り続ける。



「春樹、手!血がでてる!やめて!」



春樹と同じくしゃがみこんで、地面を殴りつける手を握る。



「兄妹だとしても、好きなもんは好きだ。ごめんな、こんな兄で」


「春樹だけが悪いわけじゃない!」



あたしが春樹の気持ちを何も考えなしに受け止めたりしたから。
あたしも悪いんだ。

これは、あたしたち2人の責任。
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