それでもやっぱり、君が好き【8/26番外編追加】
「……っ、雪……」


「え?」



雄大が呟いた名前。
その名前は、あたしをくるしめた根源。



「あいつ……っ」



雄大が青になった信号を走っていく。



「……え?」



あたしは、状況の把握ができず、ただ佇む。



「おい!」



2人にたどり着いた雄大が彼女の腕をつかむ。



「雄大くん!」



彼女がキラキラした笑顔になるのをみて、この子は雄大のことが好きだったっけと思い出す。



「お前いい加減にしろよ!今度は何、企んでるんだよ!」



雄大の声はでかくて、響き渡っている。

とりあえずここにいてもどうしようもないので、あたしも信号を渡る。



「うーん、雄大くんが、あたしと付き合ってたくれるならなにもしないよ?」



悪びれた様子もなく、笑顔で雄大に話す彼女は、本当にヤバい人なのかもしれない。



「……んなわけわるか!二度とお前とは関わらねぇよ」


「えー?」



そんなことを言われても気にする様子はない。



「いくら、何かするとしても、俺は絶対に付き合わねぇからな?」

< 203 / 349 >

この作品をシェア

pagetop