それでもやっぱり、君が好き【8/26番外編追加】
「そこで、雪と寝ないと亜実を仲間にやらせるって言われたんだ」


「……っ」


雄大の言葉に体がふるえる。

いったいなんのためにそんなことをするのか。
ただ、好きな人とほかの人が付き合ってるだけだ。
それだけで、その人に危害を与えようとするのは、本当に好きだと言えるのだろうか。



「もう俺らに関わらないでくれ。頼む」



雄大が深々と彼女に頭を下げる。



「もういい」



それだけいった彼女は、あたしたちのあいだを通り過ぎて、そのままふりむくことなく、歩いていった。


「ずっと後悔してた。もっと他の守り方があつたはずだって」


「……っ」



悲しい想いはしたけれど。
そこにたしかに愛は存在した。

悲しいとずっと思っていた別れだったけど、全部あたしのためだった。



「とりあえず帰ろう」



春樹があたしに手を差し伸べてくる。

本当は、この手を突き放したい。
でも、あたしにはそれが出来なかった。
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