それでもやっぱり、君が好き【8/26番外編追加】
「だってさー、校舎も別になっちゃったしさー!会うの久しぶりだから」


「まったく、相変わらずなんだから……」


「あたしの存在消さないでよね」



ゆうたんが笑いながら和樹の肩を叩く。



「遊莉は同じクラスだし、毎日会ってんじゃん」


「あ、2人同じクラスか」


「そうだよ、亜実と一緒がよかったよ」



ぶーっと不満そうな顔をする和樹だけど、ゆうたんと仲がいいのはわかっている。
2人の仲の良さだから、こうして言い合えるんだ。



「亜実たん、元気になってよかった」


「へへ、ありがと」



和樹のおかげで少し気を紛らわすことができた。



「和樹!席取ったから早く来いよ!」



授業にも身が入りそうと安心したのもつかの間。
誰の声かなんて、背中を向けていてもわかる。

雄大の声は見なくたって誰だかわかるよ。



「一緒に……座れねぇな」



和樹が残念そうに苦笑いをする。



「和樹」



雄大があたしのことなんか気にも留めてないように、こちらに歩いてくる。

< 21 / 349 >

この作品をシェア

pagetop