それでもやっぱり、君が好き【8/26番外編追加】
「あいつが妊娠したとき、俺は神崎と付き合ってた」


「あ、そうなんだ……」


「でも、妊娠したことがわかって。神崎に全部話して別れたんだ。本当に申し訳ないことをしたって思ってるよ」



お姉ちゃんの〝一方的に好きだった〟って言葉を思い出す。



「俺、あいつが俺のことを本当は好きだったってのを知って離れたんだ。妊娠がわかったのはその後らしい」


「……そっか」


「俺を好きって言ってくれたときにきちんと受け入れていたら、子供は生まれてたんだろうなって思ってる」



春樹が話してくれた彼の過去は、本当に初めてきくことで。
そして、春樹の表情があまりにも苦しそうで、そばにあった春樹の手をギュッと握る。



「亜実……」


「自分を責めないで」


「ありがと。亜実に出会ったころ相談したことあったじゃん」


「あ、うん!」



春樹の女友達が自殺したとかそんな話だったのを覚えてる。
まだ、雄大と付き合ってた頃だったな。

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