それでもやっぱり、君が好き【8/26番外編追加】
「え……?春樹?」



医師の後ろにいた看護師が目を丸くしてる。



「刹那(せつな)……?」



春樹も同じように目を丸くしていた。



「知り合いか?」


「あ、はい。高校の同級生でバンド仲間なんです」



医師の質問に刹那さんが答える。



「体調はどうかな?」



医師があたしに近づいてそう問う。



「いまは大丈夫です」


「お腹に新しい命が宿ってることは聞いたかな?」


「はい……」



あたしはギュッとお腹にてを触れる。

事実だなんて、やっぱり認めたくなくて。
怖くて。
触れた手が震えてしまう。



「せっかく宿ったんだけど、流産しかかっているんだ」


「みたいですね……」


「このまま自然に流産するのを待つか、手術をするかどっちかになるんだけど、そこは2人で相談してほしい」



やっぱり医師の言葉はどこか現実には感じられなくて。
ただ、ただ信じたくない。
その気持ちの方が強かった。

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