それでもやっぱり、君が好き【8/26番外編追加】
「本当なら……継続できたらよかったんだけど……」



医師の後ろでカルテを持って立っていた刹那さんが口を開く。



「刹那?」


「だって、春樹がまた……」



刹那さんの目から一筋の涙がこぼれ落ちる。



「刹那……」


「ごめんなさい、ここで感情を出してもいい立場ではないのに」



自分の手で涙を拭きながら、あたしに頭を下げる。



「いえ……」


「刹那、もうあのことは気にするなって何度も言ってるだろ」



春樹が刹那さんに歩み寄る。



「だって、あの子はあたしのせいで……!」



潤んだ瞳で春樹を見上げる。



「それは違うって何度も言ってるだろ!?」



春樹が声を荒らげる。



「あたしがあんなこと言わなければ……」


「お前にも萩花にもいい顔をしてた俺が全面的に悪いんだから。な?」



ポンッと刹那さんの頭を撫でる。

このふたりになにがあったのかはわからない。
でも、二人の間になにかがあったのはたしかだろう。

きっと、刹那さんは春樹のことが好きだ。

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