それでもやっぱり、君が好き【8/26番外編追加】
誰だって、本当は好きな人の幸せを願ってる。
その相手が自分であれば嬉しいけど。
もしも、違う相手だったとしても、幸せであればそれでいいと思っている。



「どっちにしろ産むことはできませんから」



自分のお腹を両腕で囲う。



「ごめんなさい。なんか……」


「いえ、刹那さんが春樹にそういう気持ちもわかるので」



好きな人と誰もが結ばれるわけじゃない。
現に、春樹はあたしと結ばれることなんてないし、あたしも雄大と一緒になんかこうなった以上いることはできない。

でも、それでもいつかと願ってしまう。



「ごめんね……」



自分の両腕に囲われたお腹に向かって呟く。

産んであげられなくてごめんね。
あたしのところに来てくれてありがとう。

産みたいって思ってあげられなくて。
産みたいって言ってあげられなくて。
本当にごめんね。


いつか君が許してくれるならば。
もう一度君を宿したい。

それはあたしのワガママだろうか。


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