それでもやっぱり、君が好き【8/26番外編追加】
「この黒い袋が赤ちゃんの入ってる袋で、この影みたいのが赤ちゃんだって」
春樹が指をさして教えてくれる。
「そっか……本当にいたんだね」
なんとなく、宿った実感もなかったし。
だから、いなくなって実感もなかった。
今こうして、エコー写真をみせてもらってはじめて実感ができている気がする。
「ここにきちんと存在していた事実。亜実が持っててよ」
「うん……」
ギュッとエコー写真を握る手に力を込める。
「ごめんな、大変な思いさせて」
春樹の言葉にふるふると首を横に振る。
「ねぇ、春樹。毎年今日に会おうか」
「今日?」
「うん、命日だから。この子の」
なるべく笑顔で。
エコー写真を春樹に掲げる。
「もう、会ってくれないかと思った」
「そんなわけないでしょ。春樹はいままでもこれからもあたしの大切な人だよ」
「そっか……。亜実との間になにもなくなるわけじゃない。俺たちには兄妹っていうかけがえのない繋がりがあるんだもんな」
春樹がどこか吹っ切れたような顔になる。
「宿ってくれてありがとう」
エコー写真にそっとキスをする。
本当の姿に会えるのはいつになるかはわからない。
あたしはその日まで、君に恥じない人生を送ることを誓いたい。
その日を目指して、未来へと1歩を進む。
春樹が指をさして教えてくれる。
「そっか……本当にいたんだね」
なんとなく、宿った実感もなかったし。
だから、いなくなって実感もなかった。
今こうして、エコー写真をみせてもらってはじめて実感ができている気がする。
「ここにきちんと存在していた事実。亜実が持っててよ」
「うん……」
ギュッとエコー写真を握る手に力を込める。
「ごめんな、大変な思いさせて」
春樹の言葉にふるふると首を横に振る。
「ねぇ、春樹。毎年今日に会おうか」
「今日?」
「うん、命日だから。この子の」
なるべく笑顔で。
エコー写真を春樹に掲げる。
「もう、会ってくれないかと思った」
「そんなわけないでしょ。春樹はいままでもこれからもあたしの大切な人だよ」
「そっか……。亜実との間になにもなくなるわけじゃない。俺たちには兄妹っていうかけがえのない繋がりがあるんだもんな」
春樹がどこか吹っ切れたような顔になる。
「宿ってくれてありがとう」
エコー写真にそっとキスをする。
本当の姿に会えるのはいつになるかはわからない。
あたしはその日まで、君に恥じない人生を送ることを誓いたい。
その日を目指して、未来へと1歩を進む。