それでもやっぱり、君が好き【8/26番外編追加】
「うるさい!こっち来るな」



雄大に背を向ける。



「お前、こんなんじゃ授業出れないだろ?」



背を向けたのに、雄大の腕があたしの腕を掴んでいて、すぐに雄大に向き直される。



「やだ」


「来いよ」


あたしの腕を引っ張って教室を出ていく。



「ちょ、雄大!」



「……っ」



あたしの声にはなにも応えない。
でも、掴んだ腕も離さずにそのまま歩く。



「……なんで」


好きじゃないなら放っておいたらいいのに。
中途半端に優しくされたら、雄大を諦められなくなってしまう。


……バカ。



「いいから泣きたいだけ泣け」



やっと口を開いたのは、非常階段のドアを開けたとき。



「……バカ」


「バカでもなんでもいい。泣きたいときは泣け」


「雄大のせいなのに」


「そんなこと、分かってる」



非常階段の壁ごしに雄大が地面に腰を落とす。

それを見て、あたしも雄大の隣に座った。

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