それでもやっぱり、君が好き【8/26番外編追加】
そういえば、雄大と付き合ってるとき。
ケンカして、ここで泣いてたこともあったな。



〝泣くなって、バカ〟



そう言いながらここのドアを開けて入ってきたのを覚えてる。

あの頃はケンカしたって幸せだった。
だって絶対に仲直りできる自信があったから。



どのくらい経ったのだろうか。
非常階段で泣きまくった。

授業に出たいのに、涙はそんな気持ちを無視するかのように止まらなかった。

雄大を好きな気持ちが涙には溢れていて。
好きな気持ちなんて無くせるわけがなかった。

泣いてる間、隣にずっと雄大がいてくれた。
それが嬉しかったけど、悲しさのほうが断然上だった。



「……なんで?」


「ん?」


「なんで中途半端に優しくすんの?」


止まらない涙を流しながら雄大のほうをむく。



「……っ」



あたしの質問に雄大は一瞬切ない顔をしたけど

──次の瞬間



「……っ」

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