それでもやっぱり、君が好き【8/26番外編追加】
言葉のかわりに雄大はあたしの腕を引っ張って、自分の腕で包み込んだ。

ケンカした日と同じように。

聞きたいことはたくさんあった。

──どうして突然連絡をくれなくなったのか
──どうして勝手に別れたのか
──どうして勝手に彼女を作るのか

でも、どれも聞けなかった。



「なんで!?」



雄大を突き飛ばして、立ち上がる。



「亜実……」



突き飛ばしたくなんてなかった。
これが、まだ付き合っているならどれだけ嬉しかったか。

自分の名前を呼んでくれたことがどれだけ嬉しいか。



「突然あたしから離れていったくせに!なんで!?」


「ゴメン……」



雄大は一瞬また切ない顔をして、あたしに背を向けた。



「……雄大」



そのまま、去っていく雄大の背中に聞こえないくらいの声でつぶやく。

大好きな人の名前を──


いつまで経っても、あたしは雄大を諦められない。
雄大から離れることができない。

今日改めてそう感じた。

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