それでもやっぱり、君が好き【8/26番外編追加】
「あれ、春樹……?」


リビングのドアを開けると、春樹が窓から外を見ていた。



「亜実。おはよ」



あたしの声に、カーテンを閉めて振り向く。



「おはよう。春樹」


「亜実、今日は外に出るのは禁止な」


「え……?でも今日は、クリスタルのスタジオ収録につれてってくれるって」



そう。
今日は、クリスタルが司会をしている番組の収録日。
連れてってくれると言っていたからたのしみにしていたんだ。



「それも今日は中止」


「……え?」


「これな」



春樹がテーブルの上の雑誌を指さす。



「……え?」



そこに書かれていた内容に頭が真っ白になる。



「な、なにこれ……」


〝人気俳優 黒川歩 〟の文字が最初に飛び込んできた。

でも、その横にあったのは〝クリスタル ギタリストHARU妹と真剣交際!?〟の文字。



「亜実のことだな」



まさかの大々的なスクープ写真に衝撃が隠せない。

目隠しはされているけど、たしかにあたしと歩が手を繋いで歩いている様子だ。

< 295 / 349 >

この作品をシェア

pagetop