それでもやっぱり、君が好き【8/26番外編追加】
「可愛いなって思って、はじめて会ったときから好きだった」


「はじめてあったとき……」


「一目惚れってやつだな」



照れたように微笑む和樹に不覚にもドキドキしてしまう。

好き、だからとかじゃないけど。
やっぱり言われて嬉しい言葉だから。



「だから雄大にムカついてる。こんなに亜実のこと傷つけてさ」


「……和樹」


「今すぐにとは言わないから俺にチャンスくれない?」



さっきからの真剣な顔にこれは本当なんだと悟る。

だから、ちゃんと応えないと。



「チャンス……」


「俺のこと、考えてくれないかな?」



真剣に言う和樹はとてもかっこよかった。
普段から整った顔をしているけど、そういうかっこよさとはまた別のかっこよさ。



「でも、あたしまだ……っ」



雄大のことが忘れられない。


〝俺が亜実以外を好きになることは絶対にないからな〟


雄大がよくそう言って、頭を撫でてくれていた。

そんな言葉になんの効力もないってことを思い知った。

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