それでもやっぱり、君が好き【8/26番外編追加】
「もう!せっかくセットしたのに!」



香莉菜が髪の毛を手ぐしで直す。

そんなふたりの様子をみて、今日会えてよかったとつくづく思う。

2人の変わらないやり取りを見ていると自然と笑顔になる。

あたしももう一度、雄大とこういうふうになれたらいいのに。
結婚してしまう雄大とはそんなチャンスは巡ってこない。



「亜実と雄大もお似合いだよ」



昌也がニコッ笑う。



「昌也……」



昌也の言葉に目頭が熱くなる。



「あー!昌也が亜実のこと泣かせたー!」


「え!?ちょ!亜実!?」



昌也が焦ったような顔になる。



「ふふ、嬉し泣きだよ」



付き合ってたころから、不釣り合いだとウワサされて。
自分でもそう思ってたから。

昌也の言葉が素直に嬉しい。



「あ、亜実。スマホ鳴ってない?」


「あ、ほんとだ」



香莉菜の言葉にカバンからスマホを取り出す。



「春樹だ。出るね」



ディスプレイには春樹の文字。

2人にことわって、スマホの画面に触れて電話に出る。


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