それでもやっぱり、君が好き【8/26番外編追加】
『亜実、帰ってから元気にやってるか?』



もしもしと、電話に出ると聞こえてくるいつもあたしを落ち着かせる声。



「うん。やってるよ」


『歩も頑張って仕事してるし、気にすんなよ』


「……うん」



あたしが、歩のことを気にしているのをこの人はちゃんとわかってるんだ。



『俺、いま羽田にいるからさ』


「……ん?」



春樹の言葉の意味がわからない。



『16時には千歳つくから、迎えに来いよ』


「は!?」



春樹の突拍子もない言葉にびっくりしてしまう。



『札幌帰ってから、亜実絶対たくさん泣いたろ?そばにいれなくてごめんな』


「……そんな」



春樹の仕事のことはわかっている。
そう簡単に休みなんて取れないことも。



『たまたままとまった休みがとれたんだ。だから、頭撫でにきた』


「春樹……」



春樹の言葉にツーンとなる。



『じゃあ、またあとでな』



その言葉を最後に電話が切れた。

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