それでもやっぱり、君が好き【8/26番外編追加】
「香莉菜の大切さに別れてからずっと気づいてた」


「……昌也」



香莉菜の目にうっすらと涙が浮かぶ。



「あいつも絶対に亜実のこと大切に思ってるから」



昌也があたしの頭をぽんっと叩く。



「あれから雄大には会ったのか?」


「……ううん」



春樹の言葉に首を横に振る。


一花咲かせに札幌帰ってきたはずだけど、まだ会うには達せてない。



「はやく会えよ」


「……え?」


「自分の気持ち伝えるんだろ?どうにか転がるだろ」



春樹の言葉に胸につかえてたなにかが取れた気がする。

一花咲かせたくて、帰ってきたのに。
もう雄大は結婚するからとか。
雄大はパパになるからとか。

そんな言い訳がましいことばかり考えて、なかなか踏み出せなかった。



「今のままだと前に進めないだろ」


「……うん」



そう思って、ちゃんと伝えたいっ思ったのに。
そう思って、札幌に帰ってきたはずなのに。
いざとなるとやっぱり難しい。

春樹の言葉はいつも、あたしの道しるべだ。

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