それでもやっぱり、君が好き【8/26番外編追加】
「ありがとう、春樹」



あたしがいつでもフラフラしてるからだ。
だから春樹も安心できなかったんだ。



「俺、亜実のことすきになったのは後悔なんてしてないからな」



春樹の言葉に胸があたたかくなる。

〝好きにならなければよかった〟
なんて、思われるよりずっといい。



「俺もケジメつけるために、夜は百合の店に行ってくっから」


「……百合さん」



聞きたくなんてない名前で。
でも、雄大のことを考えたらときに切っても切れない名前でもある。



「百合と雄大な、結婚しねぇよ」


「……え?」



突然告げられた言葉に自分の目が開いていくのがわかる。



「百合には子供がいなかったんだよ」


「いなかった……?」



あたしの頭は混乱していく。

子供ができたから、一緒にいられなくなったあたしたち。
それなのに、その子供がいないってどういうこと……?



「俺も雄大から聞いたよ」


「え?昌也も……?」


「うん。亜実と黒川歩の記事が載る前辺りかな」



あっと思い出す。
あの、雄大からの着信を。

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