それでもやっぱり、君が好き【8/26番外編追加】
「噂大丈夫?きにしないほうがいいよ」



心配そうにあたしの顔を覗き込む和樹。



「大丈夫。こんなの日常茶飯事だったから」


「雄大、モテるもんな」


「和樹だってモテるから、こう噂されてるんだよ?」


「でも、いくらモテても、俺が想われたいおんなのこにおもわれないと意味無いからね」



「……っ」



切なそうな顔で言う和樹に言葉がでなくなってしまう。


最近、和樹がいつもそばにいてくるおかげで、あたしはたくさん笑えるようになった

眠れなかった夜も眠れるようになった。
雄大と別れてから朝起きるのが怖くて。
ずーっと夜が怖かった。

でも、和樹が電話をくれる夜が好きになった。

雄大のことを忘れることなんてできないけど。

忘れるわけはないんだ。



「……ありがとう、和樹」


「ん?俺は亜実と一緒にいたいからいるだけだよ」



──ありがとう。
和樹のおかげで涙を流す夜はなくなった。

和樹がいなかったらいまだに泣いてたかもしれない。

たくさんのものをもらってるのに、それだけのものを返せてない気がして胸が痛くなる。

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