それでもやっぱり、君が好き【8/26番外編追加】
「いいよな、クリスタルみたいなサプライズ」



披露宴が終わって、会場をふたりで出ると雄大がニコッと笑う。



「……そうだね」


「俺らのときもいい結婚式にしたいな」



そう言って、あたしの手を握る。

その手を振りほどくことはできず、でも、なにも言えずにそのまま歩く。



「今日さ、部屋取ってるんだよ」


「……え?」


「たまには家じゃないとこでゆっくり過ごすのも悪くないだろ?」



あたしの肩を抱いて、上へ向かうエレベーターへと乗る。



「6階だから」


「6階……」


さっきの女性との姿が脳裏に浮かんで、うまく雄大のことが見れなくなってしまう。

だって、同じ階ってことは、さっきも雄大はその部屋に行った。
そして、その女性と過ごした部屋であたしとも過ごそうとしてるのだ。



「ほら、入りなよ」



カードキーをかざして、ドアを開ける。



「なかなかいい部屋だろ?スイートなんだぜ。一応」



部屋に入って、満足そうに微笑む雄大。

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