それでもやっぱり、君が好き【8/26番外編追加】
「あれは本当にお客さんで、たまたまら転びそうになったのを受け止めただけだし」


「だって、そのあとだって、背中支えて……」


「あの人、妊婦だからな。転びそうになったし、危ねぇから」



そう言われて、思い出してみれば、腹部がふっくらしていたような気がしてくる。



「でも、ホテル……」


「あれを取りに寄っただけで、そのまま俺だけおりたんだよ。あの人には直接打ち合わせの会場行ってもらったんだよ」



雄大が指をさしたのは、テーブルの上に置かれた雄大の道具が入ったバッグ。



「浮気じゃないの……?」


「なんで、浮気なんかすんだよ。亜実がいるのに」


「いひゃい」



ぐいーっと頬を指でつままれる。



「俺はさ、亜実だけだよ。亜実以外なんてほんと可愛いとも思えないし。亜実が大好きなんだよ」


「……雄大」



あたしに跨ったままの雄大の首に両腕をのばす。



「浮気を疑った罰として」



雄大がニヤリと笑う。



「今夜は寝かせねーよ」



それは、甘い甘い夜のはじまりの合図。

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