それでもやっぱり、君が好き【8/26番外編追加】
「なぁ、亜実」



腕枕をしている手であたしの髪の毛をさわりながら、雄大があたしに声かける。



「ん?」


「この先もこんなふうにすれ違ったりすることって、当然あると思うんだよ」


「……そうだね」



付き合っていく以上、なにもないカップルなんていない。



「その度にちゃんと言葉にしていこう。俺、さっきみたいに亜実がいなくなるかもしれないなんてもう思いたくない」


「……雄大」


「さっき亜実、帰るって言ったときすげぇ冷たい目してたの気づいてる?」


「え?ほんと?」



そんなつもりは全然なかった。
普通に接してるつもりだった。



「うん。だから、マジで焦ったんだよ。もしまた不安に思うことがあったらすぐに言って?俺がいつだって不安をすぐに溶かすから。まぁ、不安なんて感じさせねーけどな」



そう言ったあとすぐにあたしの唇に自分の唇を重ねる。



「好き、雄大」


「うん。俺も。遠回りしたぶん、誰よりも幸せになろう。愛してる」



そうして、もう一度、雄大をたくさん刻んでくれる。

この幸せな時間がいつまでも続くと信じて、そっと目を閉じた。


-Fin-
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