それでもやっぱり、君が好き【8/26番外編追加】
雄大と付き合いだしたてのころ。
よく、靴を隠されたり、幼稚なイタズラをされていたことを思い出す。

あのときは、なにがあったって大丈夫だった。
雄大が隣にいてくれたから。



『あんま無理すんなよ。辛くなったら言えよ』


「誰によ」


『和樹に決まってんだろ』


「そうだね」



〝俺に〟って言ってほしかったし期待した。
でも、それは口にはできなかった。

そんなわけないってわかってるから。



『さっきの特別な意味ないから。じゃあな』


「え、あ……ちょっ……」



あたしが話そうとした時にはもう電話は切れていた。



「一方的すぎ……」



かけてきといて一方的に切るとかありえない。

やり直せるとかまた期待しちゃった。
雄大にはあたしを好きって気持ちもうこれっぽちもないのに、バカみたい。



「嫌いになりたいのに」



そう考えては首を振る。

だって、どうやっても大好きなんだもん。
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