それでもやっぱり、君が好き【8/26番外編追加】
「ん?あぁ……「ねぇ、はやく行こうよ。和樹」



何かを答えようとした和樹の手を引っ張って歩き出す。



「痛てぇって……ったく、じゃあな」



口は悪いけど、顔は笑ってて。
彼女のことを大事にしているのが伝わってくる。



「……は?」



2人がそのまま去っていくのに、何も言うことができなかった。

なんだろう。
あたしが待たせすぎたのだろうか。
あたしに愛想をつかして、隣の彼女の手をとったのだろうか。

昨日、和樹には〝大事な話がある 〟と伝えたはずだ。
付き合うか断るかどちらかであることは、和樹にだって容易にわかるはずだ。

LINEをした段階で、もし違う人と歩み始めたのだったら、言ってくれてもいいのではないのだろうか。


あたしは宛もなく歩いた。

どうしてだろう。
前に進もうとしたこと。
その何がいけないことだというのだろう。

ねぇ、あたしはなにか悪いことをしたのですか。
別に何も高望みはしない。

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