それでもやっぱり、君が好き【8/26番外編追加】
願うなら、雄大の心を取り戻したい。
でも、それがかなわないから。
新たな想いを信じようと決めたのに。

こんな仕打ちはどうなんだろう。

大好きな人には勝手に別れたことにされて。
新たに手をつかもうとした人は、別の人の手を握っていた。

深みにハマる前に気がつけてよかったといえぱそうなのかもしれない。



「なんで……」



少しも幸せになることを認めてくれないのだろうか。
平凡な幸せでいいというのに。



「疲れた……」



途方もなく歩き続けてどのくらいがたったのだろう。
スマホもないし、近くに時計もない。
今が何時なのか、ここがどこなのかもわからない。



「やばいなぁ……」



このままだと暗くなってしまう、と思ってもあたしの頭は妙に冷静だった。

暗くなってしまうことくらいどうってことはない。

明るいところにいったって、どうせ、導いてくれる人は誰もいないんだから。



「あの子なにしてるの?」



ずっと立ち止まってるあたしにそんな声もたくさん聞こえた。

でも、どれも気にならなかった。

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