それでもやっぱり、君が好き【8/26番外編追加】
「まぁまぁ。拾ったら捨てるわけにはねー」


「子猫かっちゅうの。小学生でも拾ったのか?」


「いや。高校生」


「女子高生!そりゃ犯罪だぜー。言いつけるよー」



優くんをからかっているような会話が聞こえる。



「うーん」



どうしたらいいのか分からなくて、リビングの扉の前で立ち往生しているあたし。



「お前のせいで入りづらくなってんじゃん。ごめんね、コイツバカで。入っといで」



あたしに〝おいで〟と手招きをする。



「うん」



優くんの言葉を合図にリビングに入る。



「おじゃまします」



リビングの扉を開けて深々と頭をさげる。
お世話になるんだからこのぐらいしないと。



「あれ!?神崎!?」


「え?」



あたしの苗字を呼ぶ声に不思議に思い、顔を上げる。



「なに、知り合い?」


「……健ちゃん」



目の前にいた彼はあたしの中学校の先輩だった。
先輩と言っても年は離れてる。

部活のOBで5個上だった。

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