それでもやっぱり、君が好き【8/26番外編追加】
「なぁー!なんか感動的な再会みたいなBGMきそうだけど、俺だけ仲間はずれにすんなよー」



優くんがふくれっ面であたしたちを交互に見る。



「うっせーな。元カノだよ。元カノ」


「モトカノー!?健、お前犯罪だな」



健ちゃんの頭をからかうように撫でる。



「お前知ってんだろ。俺が高校生のとき母校の中学生と付き合ってたことくらい」


「へー、あれが亜実だったんだ?」



あたしと健ちゃんは中学のときに付き合っていた。

谷水健太。
彼はあたしの初恋相手。
中学のときに吹奏楽部で出会ったあたしの初カレ。



「久しぶりだな。神崎」


「うん。健ちゃん、お久しぶり」


「変わらないな。神崎」


「健ちゃんこそ」



まさかここでこの人に会うとはなんていう偶然なのだろうか。

あの頃のままの笑顔がそこにはあった。

すごく好きだった人。
雄大への愛にはやっぱり負けるけど、それでも当時は本当に大好きだった。

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