それでもやっぱり、君が好き【8/26番外編追加】
健ちゃんとの出会いは1年の部活の最初の日。

部室にあたしが入ると先に来ていた人。
それが健ちゃんだった。

健ちゃんは、吹奏楽で一目置かれた存在でとてもかっこよかった。

いつもの健ちゃんもかっこいいけど、得意のファゴットを吹く瞬間のあの顔は未だに忘れられない。

完璧な一目ぼれで、健ちゃんも一目ぼれだと言ってくれて。
出会った年の夏、あたしたちは恋人という関係になった。



「神崎も元気……じゃないから優に拾われたのか」



すごくすごく好きだった健ちゃんのこと。
なのに、違う人に出会ってしまったのはあたし。

雄大に出会ってしまって、あたしが健ちゃんに別れを切り出して、結構長かった付き合いは終わりを迎えた。



「神崎はどうした?なにがあった?」



あたしは、たくさん健ちゃんを傷つけたのに、あのころと変わらなく心配をしてくれる。
そんな健ちゃんが大好きだった。



「てか先にご飯たべよーよー」



優くんがふくれっ面になっていた。



「優、なんで膨れてんだよ」


「俺がかっこよく聞こうとしたのに!」

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