それでもやっぱり、君が好き【8/26番外編追加】
「ぷっ、なんだそれ!まぁ、ご飯食べたあとでもいっか」



優くんの言葉に健ちゃんが吹き出しつつ、キッチンに向かう。



「そうそう!」



早くーと言わんばかりに優くんは喜んでる。
よっぽどお腹がすいてたのだろう。



「よし!俺の自慢のオムライス!優から聞いてたから、神崎の分も作ったよ!」



健ちゃんがキッチンから皿を運んでくる。



「あ……」



目の前のテーブルに置かれた、本当においしそうな料理にぐーっとお腹が鳴る。



「はは、お腹は正直だな!」



ニカッと笑った健ちゃんが、椅子を指さして座るように促してくれる。



「うう……」



恥ずかしくて、穴があったら入りたいくらいだ。

ご飯なんて、喉を通らないって思っていたのに体は正直だ。



「ほんと、変わってない」



嬉しそうにあたしの頭を撫でる。

付き合ってた頃もよくこんなことあったな。
喧嘩したりして怒ってても、おなかだけは正直で。
どうしても健ちゃんの前では素の自分が出てる。

健ちゃんはあたしにとって、ありのままを見せれる人だから、大事だったのになぁ。

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