それでもやっぱり、君が好き【8/26番外編追加】
「いたいた。母さん」



光の加減でよく見えなかったけど、昌也だってことはすぐにわかった。
ここであたしを見られるのはやばいと思って、反射的にしゃがみこんでいた。



「あんた今日学校は?」


「サボった」


「もう。また先生に何か言われるのはあたしなのよ」



昌也の頭を小突く。



「お前、歩くの早すぎだって」



少し遅れて、ドアがあくのと同時に聞きたくて、でも聞きたくないそんな声があたしの耳に届く。



「雄大が遅いんだよ」


「はぁー。雄大もサボったのね」



ため息をつく。



「これ結構まずいやつ?」



しゃがんでいるあたしに健ちゃんが小声で聞く。



「まずいかもしれない」


あたしは〝へへっ〟と笑う。
まず、あたしがここにいることは昌也のお母さんにはバレてるし。
今はサボりとかの話であたしに頭が向かってないだけで。

すぐにわかってしまうことだろう。
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