それでもやっぱり、君が好き【8/26番外編追加】
「これ、どうしたらいいんだろう」


「それはもう学校で渡すしかないだろ」


「いや、でもあいつは和樹と付き合ってるわけだし……」



雄大が和樹と付き合ってる、そう思っているのはあたしのことだ。



「……んな、顔すんなよ」


「まじで落ちてんだぜ、俺。わかってんだよ、自分が離したってことぐらい」



何を言っているのだろう。
雄大がいま話しているのは、誰のことを言っているのだろう。
自分の話のはずなのに、まったくもって実感がわいてこない。



「なによ、それ……」



思わず呟いていた。
どうしても、わからなくて。
そんなふうに言うなら、手放して欲しくなかった。



「やばいかも。そろそろ幻聴聞こえるようになった」



雄大がキョロキョロと周りを見ている。



「いや、俺にも聞こえてるから」



昌也がふぅっとため息をついて、テーブルの下を覗き込んでくる。



「あ……」



バチッと目が合う、あたしと昌也。

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