それでもやっぱり、君が好き【8/26番外編追加】
「今までずっと雄大のこと恨んでた」


「……和樹」


「今回はどうしても許せなかったんだ」


「……今回?」



違和感のある言葉に首を傾げる。



「雄大が雪といつ寝たかわかる?」



和樹がニヤっと笑う。



「……え?」


「いつか当ててみなよ」


「やめろ。和樹」



いつの間にか店の中に戻ってきていた、雄大が和樹の肩を掴む。



「お前は黙ってれよ」


「頼むから!やめてくれよ!」



雄大の声が大きくなって、知られたくないって思っていることがわかる。



「中学のとき、とかじゃなくて?」



あたしは恐る恐る口を開く。

本当はわかってた。
こんなに雄大がかたくなに言われたくない理由。

でも、目を背けたかった。



「ぶー。不正解。雄大が雪と寝たのは、春休みねー」



軽くいい放つ和樹の言葉に、頭をなにかで殴られたようになる。

なんとなくさっきからわかっていたのに。
それでもいざ聞くとやっぱりショックでたまらない。

もう諦めていることなのに。
諦めきれていないあたしはなんてバカなのだろうか。

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