それでもやっぱり、君が好き【8/26番外編追加】
「亜実を巻き込んじゃいけなかった。ゴメン」



和樹がペコっともう一度あ頭をさげる。



「そっか。夢見てたのはあたしだけか」


「……亜実?」


「やっぱあたしの居場所なんてないわけだよ」



もう、考えることなんてしたくなくて。
すべてなくしてしまいたくて。

気がついたらお店をとびだしていた。



「亜実!」


大好きな雄大の声が背後から聞こえたけど、夢中で走った。
振り向けるわけがなかった。

付き合ってる間にそんなことがあったなんて。



バカだ。
春休みに雄大に裏切られてたなんて。

勝手に別れた理由を今知ることになった。
しかもこんな形で知るなんて最悪。



『俺が浮気したら殺していいから』


『えー』


『しない自信あるから。殺されないよ。でも亜実が浮気したら殺しちゃうよ』


『こわーい』


そんな風に笑うあたしと雄大の姿が浮かびあがる。




──……殺してほしい?



いくらでも望むなら殺してあげるのに。

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